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特集 第11回東京都大会 ここ一番!注目の君 

 ※今大会一番目立った選手を、編集部が独占インタビューしました。
ミズ ケ
快進撃を見せる姜三兄弟

兄同様、バランスと良さ、
力強さに長けた姜昇烈のトゥル

姜 昇 烈(カン・スンリョル)

15歳/1段/足立興野クラブ/テコンドー歴8

今大会戦績
 トゥル中学黒帯の部 優勝/マッソギ中学+
60kg級 優勝



選手として一皮向けた姜昇烈。今後の成長が楽しみだ
(マッソギ+60kg決勝戦)


今大会、マッソギ、トゥルの二冠達成!


姜昇烈にとって、あらゆる意味で大きな影響を与えた
7回世界ジュニア選手権大会(2006.7ブルガリア)

姜三兄弟時代到来か!

兄の金メダルは、弟の誇り、
そして未来だ!!


かつて少年部の黄金期を迎えた荒川道場で、その一翼を担っていた姜昇烈。幼いころより恵まれたセンスを備え、少年部のトップを走ってきた少年も、いつの間にか
15歳になっていた。

出場した中学生の部でマッソギ、トゥルの二冠を達成。この成績は、姜昇烈にあっては然るべき結果だが、今大会においては、その表情や姿勢に何故か心動かされるものがあった。

強い意志のようなものが、彼の試合に向ける集中力を通して感じられたのだ。

小学校時代、圧倒的な強さでメダルを独占してきた姜昇烈は、中学を境に転機を迎える。スポーツ万能少年は、小学4年の頃からサッカー部に所属し、エースとして活躍。周囲の期待を背負いながら、テコンドーとサッカーの両立に努めてきた。しかし、中学になると過密スケジュールをこなす過程で心身ともに疲労がたまり、練習にも集中力を欠いていった。結果、試合でも本領を発揮できず、スランプに近い状態に陥った。

それまで順風満帆だった姜昇烈少年が初めて味わう苦い経験。そんな彼に一歩踏み込む力を与えてくれたのが、昨年夏にブルガリアで開催された第7回世界ジュニア選手権大会での日々だったのだ。

「世界ジュニア大会に参加して、とても刺激を受けました。世界の広さや世界選手たちの強さを肌で感じ、自分の未熟さ、やり残していることの多さを痛感しました。いつか必ずここで優勝したいと思いました」

ブルガリアでの経験は、彼の志気を高めただけでなく、友情という宝物を与えてくれた。思春期にあった彼にとって、テコンドーを通して育まれた仲間意識は何よりの財産となった。

特に、同じ年の原海輝(府中)とは波長が合い、盟友であり、ライバルとして刺激的な関係を築けたという。

そして、彼をなお一層テコンドーに近づけたもの、それは兄である姜昇利の活躍だ。今春開催された第15回世界選手権大会で、トゥル3段において金メダルを獲得。偉大なる快挙を成し遂げた兄に、弟は誇りを感じ、言いようもない感動に胸震わせた。テコンドーに賭ける兄の思い、姿勢は、姜昇烈が行くべき道を導く羅針盤となった。

11回東京都大会では、長兄の姜昇日もトゥル青・赤帯の部を制覇、兄弟優勝を成し遂げた。ここに姜昇利が加われば、鬼に金棒。まるでかつての厳三兄弟を彷彿させる強さ、勢い。姜三兄弟の時代到来だ。

「高校になったら、テコンドー一本で頑張りたい。とにかく練習して、強くなって、いつか兄を越えてみせます!」

迷い道を抜け出た空間は、驚くほどに明瞭で心地よい。志を抱いた少年は、キラキラ瞳を輝かせ、いま、目標に向かっている。

来年の9月に行われる世界ジュニア選手権に向けて、姜昇烈の挑戦はもう始まっているのだ。