日本国際テコンドー協会(ITF)公式ホームページ INTERNATIONAL TAEKWON-DO FEDERATION JAPAN International Taekwondo Federation
ホーム テコンドーとは 道場/リンク 日本国際テコンドー協会 グッズ 年間予定 全国師範・副師範 お問合せ
 ホーム > クローズアップ
                                                

8回ジュニア・第3回ベテラン世界大会応援企画

Special  Interview Part1

9月15日よりウズベキスタン・タシケントにて開催される第8回ジュニア・第3回ベテラン世界テコンドー選手権大会に向けて、毎週日曜日選手強化練習が行われています。
それぞれの思いを胸に世界の舞台へチャレンジする選手たち。彼らの熱気に満ちた練習場にお邪魔し、原海輝選手(ジュニア代表)、椿順子選手(ベテラン代表)にお話をうかがいました。ミズ ケンジ)

輝け!海輝

目指すは世界の金!


原 海輝(ハラ カイキ)

15歳/東京府中道場/1

世界ジュニア日本代表 

参加種目
・個人戦トゥル
1
・個人戦マッソギ−
69kg
・団体戦

国際大会 過去戦績
7回世界ジュニア大会(2006年)
マッソギ−57kg級 ベスト
8

前回の世界ジュニア大会でベスト8、全日本大会初優勝など、急成長を遂げている原海輝選手。

今回はチームキャプテンとしての重責を担い、世界にチャレンジします。

「寝る子は育つ」を実証

身体も心意気もビックに成長


よく食べてよく寝て、こんなに大きくなりました!

驚くほど長い足!今どきの若者は……。羨ましいかぎりだ


世界ジュニア団体のメンバーたちと
トゥルの練習を入念に行う


2006年ブルガリアで開催された第7回世界ジュニア大会へ
初出場し、大健闘。マッソギベスト8に輝く

第19回全日本大会(2008.3.8-9)では
マッソギジュニア中学生+51kg級を制し
嬉しい初優勝を飾る

第7回ジュニア・第2回ベテラン世界大会の会場にて
日本代表の仲間たちと記念撮影
(前列左から三人目が海輝選手)

黄大勇副師範のように、スピーディーに動けるマッソギが現在のテーマ。強化練習で黄副師範とスパーリング

−海輝選手にとって2回目の世界大会となりますね。前回の大会からこの二年の間に変化したことは?

 身長がすごく伸びました。今180センチなので、あのころと比べたら15センチは伸びました。そして体力がついてパワーアップしたと思います。技もたくさん覚えました。

−本当に大きいですね。背が高いだけではなくて、骨太というか、体格もいい。海外選手にも当たり負けしないと思いますよ。大きくなりたい願望の少年たちを代表して質問するけど、どうしたらそんなに大きくなれる?

 う〜ん、特別なことは何もしてないんですよ。お父さん、お母さんも身長が高いほうだからかなぁ。お父さんも180センチあるんですよ。あとは中2の終わりごろに急激に伸びたんですけど、その頃はやたらと食欲がありました(笑)。

−どんなものを食べてたの? ぜひ大きくなるコツを〜!

 フツーの食事ですよ。とにかく何でも食べますね。

−なるほど。ご両親からの遺伝と好き嫌いなしがポイントだ!

 あっ、あと、とにかくよく寝てました。

−睡眠時間はどのくらい?

 学校から帰って寝て、夕飯時に起こされて、ごはん食べたら朝まで寝てました。平均10時間くらい。あのころは寝ても寝ても寝足りなかった。

−寝る子は育つって、本当なんですね。そういえば、力士の白鵬も身体が小さかったのに、食事もそうだけどとにかくよく寝たそうです。練習、食事以外は睡眠だって、そしたらいつの間にか大きくなったという話をどこかで読みましたよ。う〜ん、納得!

 あ〜、なんかお相撲さんと一緒にされるのもちょっと……。

−前回の世界ジュニアの話に戻りますが、初出場でベスト8、健闘しましたね!

 でもあとひとつ勝てばメダルだったので残念でした。

−自己採点すると何点?

 50点くらいです。

−ずいぶん厳しい。

 納得できる試合ができなかったので……。

−悔しい気持ちのほうが強かった?

 はい。試合の後、泣きました。負けたことが悔しくて。

−なおさら、今回は突っ走りたいですね。目指すは金メダル!

 それを目指して頑張ります!

−海外選手と初めて試合をしてみてどうでした?

 身体能力の高さと練習量の違いを感じました。体力とスピードが勝っていて、テクニックでも経験の差を感じました。でも決して敵わない相手ではないと思います。

−どこの国が印象に残りました?

 タジギスタン、朝鮮、そしてロシア

−そして、今回は2回目の出場ということになりますが、どんな気持ちで臨みますか?

 いい意味で緊張しています。前回での経験がゆとりとなって、試合運びのことなど、いろいろ考えられるようにはなっていると思います。

−今年の全日本大会ではマッソギジュニア中学生+51kg級で優勝しましたし、乗りに乗っている海輝選手。この勢いで世界にもはばたいてください!

 そうですね。この二年の間で身体が大きくなり、体格的には海外選手に対抗できるんじゃないかと思えるので、あとはスピードと経験が課題だと思います。黄大勇副師範のように、スピーディーに動けるヘビー級選手になることが自分のテーマだと思っています。

―その話、黄大勇副師範が聞いたら泣いて喜びますよ!

 いや、それが……。以前、黄大勇副師範にその話をしたことがあるんですけど、「オレをからかっているのか」って、返されました(笑)。

―照れ隠しですよ。心の中では感動しているはず!(笑)

家族、先生、友に感謝

人生観を変えた『天の瞳』


前世界ジュニア大会では、兄弟で出場。
お父さんが日本から応援に駆けつけてくれた。
(左から世海さん、父親の重成さん、海輝さん)


少年の面影がまだ残っている前世界Jrでの海輝選手。
僅か二年の間で驚くようなこの変化!


こんなに逞しく、凛々しい青年に成長しました。
きっとプライベートでも女子ファンが多いに違いない!


長い手足を活かしたダイナミックな動作。彼の魅力の一部

−前回の大会では兄弟で出場して、お父さんもブルガリアまで応援に来てましたね。

 今回はセイミ(世海 海輝選手のお兄さん。普段から名前で呼んでいる)がジュニアを卒業し自分一人になったので、あのときのお父さんの応援やセイミの存在がどんなに心強かったかということを改めて感じています。

−海輝選手がテコンドーをはじめたキッカケもお父さんですよね。

 はい。まずお父さんが道場に通っていて、次にお兄ちゃんが入り、そしてボク。もう今年で10年になります。

―練習は楽しかった?

 小さいころから運動が大好きだったので、テコンドーもすぐ好きになりました。ただ、中学までサッカーのクラブチームにも入っていて、二足の草鞋でやってきていたので正直集中できなかった部分もありました。それに中2まではマッソギがあまり好きじゃなかったんです。基本的にケンカとか争いごとが苦手な性格でして

―平和主義なのですね。性格が大らかそうだし。

 よく分からないですけど、何事にも負けん気が強くないというか、それがボクの短所でもあるんですけど。でも身体が大きくなり、パワーがついてきて自信になり、自分の強味やウィークポイントも判ってきたことで、だんだんマッソギが面白く感じられるようになったんです。

−マッソギの面白さが徐々にわかってきたんですね。ところで海輝選手にとって大切にしていること、大切な存在はなんですか?

 お父さん、お母さん、セイミ。家族は安心できる場所、感謝する存在です。

テコンドーの先生たちも大きな存在です。技術だけでなく精神的にもたくさんのことを教え、ボクを導いてくれます。

そして友だち。ボクの趣味は友だちと遊ぶこと。特別にどこかへ遊びに行ったりするわけではなくて、ただ話しているだけで楽しい。

あと、中学時代お母さんに薦められて読んだ灰谷健次郎の小説『天の瞳』。すごく感動しました。主人公・倫太郎の物事に対する純粋な心、そして彼を理解し見守る周囲の大人たちの温かいまなざしに心を打たれました。自分の考え、心に広がりを与えてくれたというか、ボクの価値観を変えた一冊です。

お前なら世界チャンピオンになれる!

お父さん、兄の言葉は最高のエール


名前の如く、深い絆で結ばれている世海・海輝兄弟。
世界の大きな舞台で輝け!(第19回全日本大会にて)


強化練習では前回のチームリーダーだった世海さんが
自ら率先し、強化練習に参加。後輩たちを熱心に指導


成長著しい海輝選手
個人戦、団体戦ともに期待がかかる


未来の扉を開け、歩み始めた海輝選手。
若い力で日本のテコンドーを輝かせてください
 

−強化練習ではお兄さんの世海(セイミ)さんが団体チームの指導を熱心にされてましたね。今回の出場にあたり、お兄さんからアドバイスなどありましたか。

 大会への出場が決まったころお父さんとセイミが「お前ならきっと世界チャンピオンになれる!」って言ってくれて、本当に嬉しかったです。勇気と自信をくれた一言です。

−お父さん、お兄さんのためにも今大会、絶対メダル取らないとね。

 頑張ります!!

−世海さんとは本当に仲がいい兄弟ですよね。普段からもいろいろ助言をもらっている?

 顔を合わせれば、テコンドーの話ばかりです。セイミが経験したこと、教訓をたくさん話してくれるのでとても勉強になります。

−世海、海輝ってステキな名前ですね。どんな意味が込められているのですか?

 世海は、「世界を制するものは海を制す」に由来していて、海輝は、その海に光を灯す灯台を指しているそうです。兄である海を輝かせ、自分も輝く。そして兄弟仲良く生きるようにという意味が込められているそうです。

−うあ〜、とてもステキな名前ですね。ご両親の深い愛を感じます。

 それと、これ見てください。

(と言って、海輝くんが紙に二人の名前を二行並べて書いてみせる。世海の下の行に海輝。あらっ、不思議! ヨコ、タテともに世海、海輝と読めるのだ。)

−へ〜、すごい! なんでなんで!!

 面白いでしょ。

−こんなアイデア考え出すなんて、お父さん、お母さん偉大!

 これも仲良くって思いが込められているみたいです。

−素晴らしい! そしてその通りになっていますよね。仲が良い兄弟だけではなく、テコンドーという共通の目標に向かい、強い絆で結ばれている!

 将来、テコンドーの指導員になりたいという夢も同じで、二人一緒に叶えたいです。

−ぜひ叶えてください! 日本のテコンドーを牽引し、輝かせる兄弟指導員、兄弟師範になってくださいね!


日本代表 男子ジュニアチーム
 Copyright(C)2004 ITF-JAPAN All rights reserved.