−前回の世界ベテラン大会ではトゥル、マッソギで二冠に輝き、忘れられない大会になったと思います。この優勝はご自身に何をもたらしてくれましたか。
椿 自信がつきました。諦めずに努力することの大切さを改めて感じさせてくれた大会だったと思います。
−前回の大会では印象深かった国や選手はいましたか。
椿 カナダの選手です。技術的には他の国のほうが強かったけれど、試合を本当に楽しんでいる様子が印象的でした。
−椿選手は世界大会にも出場されていますが、強豪国選手たちの試合を見て感じることは?
椿 心構えが違うと思います。国の代表だという誇りや自覚が彼らには備わっていると思います。
−日本は自覚が足りない?
椿 決してそうではないのですが、国と個人という意識の違いでしょうか。勝ちたいという思いはみんな同じなんですけれど。
−国際大会は今回で何回目の出場になりますか。
椿 4回目です。初めて出場したのがオーストラリアで開催された第14回世界大会です。
−国際大会へ参加することでどのような点がプラスになっていますか。
椿 世界のレベルを目の当たりにし、自分の視野が広がって新しいことに挑戦したくなりますね。テコンドーに関してだけでなく、私の場合は「英語が話せるようになりたい!」と真剣に思うようになりました。
あと、大会に参加する以上に、たとえば強化練習だとか、大会に出るまでの過程が自分を大きく成長させてくれると思います。
−たとえば、どのような成長ですか。
椿 意外だと思われますけど、体力がかなり向上しました。年齢を重ねる分、体力は落ちるものだと思ってきましたが、年々身体が強化されていることを実感しています。もともと身体能力が高いほうではないのですが、違う部分で補われているようです。
−年を重ねるごとに体力が向上するって、すごいことですよね。その秘訣は?
椿 本当に基本的なことです。ランニングや筋力運動を毎日コツコツと。あと、プラスアルファでいうと、チューブを使ったトレーニング。バランス力を強化する運動としておススメです。特にこの成果はトゥルに活かせますね。このような基礎体力トレーニングの積み重ねのおかげで筋力が強化され、スピードも以前に比べ、数段上がったと思います。体の管理としては、食事の栄養バランスや睡眠に気を配っているのと、平均7時間くらいは睡眠をとるように心がけていますね。
−そういえば、今年の全日本大会では階級をひとつ下げましたね。何kg減量したのですか。
椿 7kgです。
−体力的に影響ありませんでしたか。
椿 その点はかなり注意しましたね。自分の身体に無理のない方法で取り組みました。昨年の10月末からスタートして、約4ヶ月で51.5kgあった体重を44.2kgに落としました。
−うぁ〜、わずか4ヶ月で7kg減に成功とは!どんな方法で行ったんですか?
椿 私の場合は、納豆がポイントでした。それまで納豆が苦手で食べられなかったのですが、タンパク源として納豆は良質の食べ物なので、勇気を出してチャレンジしました。食べる時間帯は夕食時。練習のあとに良質のたんぱく質を摂取することがポイント。効果ありますよ。減量中の私の身体を支えてくれたのは納豆と言っても過言ではないかな(笑)。おかげさまで、今では納豆が好物になりました。
あと、身体を動かすエネルギー源となる炭水化物はきっちり取り、ただ、油分だけはとらないように注意しました。それに甘いものも。でも食べたいときはちゃんと食べましたよ。そんなときは和菓子がおススメです。栄養バランスを考えた食事を三食きちんと食べて、運動を取り入れる。私の場合、この方法でうまくいきました。
ただ、ここでひとこと言いたいんですけれど、必要以上に無理な減量はしないほうがいいと思うんです。必要に迫られない限り、減量はしなくていい。その人、その人の自然体でいいんじゃないでしょうか。それぞれのベスト体重ってあると思うんです。心も体も健康で、元気でいられる。そんな状態がやっぱりベスト。もちろんメタボは注意しなくちゃいけないけれど。(笑)
−うぁ、心にズキン!肝に命じます(笑)。
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