■ 山本選手といえば、やはり触れなければならないのがそのスーパーウーマンぶりです。主婦であり、キャリアウーマンであり、テコンドーチャンピオンであり、さらにアイテム(?)が増え、マラソンランナーにもなりました。いったい、どんな一日を過ごしているのですか。
道場へ練習に行く日の一日のスケジュールは、6時前起床→7時過ぎ自宅を出て会社へ移動(土浦から日本橋へ)→9時〜18時半勤務→道場へ移動(日本橋から亀有)→19時半〜22時練習→23時半帰宅→入浴・家事→1時半就寝
マラソンをする一日のスケジュールは、勤務地からの帰宅途中に買物→20時帰宅→料理・洗濯等→21時半〜23時マラソン→入浴・身支度(翌日の準備やスキンケア?)→1時就寝
マラソンは週3回のペースで行っています。
■ 聞いているだけでも、めまぐるしいスケジュールです。身体は持ちますか。
はい。健康なのが自慢です(笑)。
■ でもこのスケジュールの遂行、日々可能ですか。
気を抜くと不可能になるので、帰宅後から寝るまでの間はずっと立ったまま過ごしています。
■ 立ったまま?
はい。ちょっとでも座ってしまうと、もうやり抜くことができないので。だから帰ったら即行お風呂に入って、洗濯して料理してと、間髪入れずどんどん進めていきます。
■ うぁー、これはスーパーでは弱いので、ハイパーウーマンと呼ばせてください!(笑)
特技は料理だと聞いています。女性として万能なうえ、こんなに努力する姿を見ていたら、ご主人もテコンドーを続けることに理解を示すしかないでしょう。
私がテコンドーを続けることに対し、ずっと応援してくれています。今では、私以上に主人のほうがテコンドーに関心が高いんですよ(笑)。
■ 今回の優勝も喜ばれていたのではないでしょうか。
自分以上に喜んでくれて「やっとアミちゃんの力が表に出たね」「テコンドーをずっと続けてて良かったね」と褒めてくれました。普段とは違い、全日本のときだけは暫くの間、褒められっぱなしでした。
■ では、ロシアでの世界大会もご主人はエールを送ってくれてるのですね。
はい。全日本が終わった数日後、主人のほうから「ロシアに行ってこい」と言ってくれました。
■ ご主人は山本選手の一番のサポーターなんですね。
主人には一生をかけてありがとうと伝えるつもりです。恩をいま返すのは無理ですから(笑)。主人の理解とサポートなしに今の生活はありません。私が怠けて練習に行くかどうか迷ったとき、「とにかく行け」と言って、尻を叩いてくれます。練習ばかりで家を空けることが多いときも文句のひとつも言いません。いつも好きなようにさせてもらって申し訳なく思うこともあります。主人の家族とも頻繁に会ってテコンドーの話をします。今回も家族が優勝祝賀会を開いてくれました。
家族に恵まれた分、自分なりの形で恩を返したいと思っています。
■ 全日本ではご家族も応援に来られたのですよね。
はい。一家総出で来てくれました。本当に嬉しかったです。試合中も応援の声が耳にガンガン入ってきて、励まされました。普段感情を表に出さない私の父が涙目になって応援していたことを後で聞いて、とても感動しました。
■ この特集インタビューにこれまで登場された選手たちがそうであるように、山本選手もご家族をはじめ、多くの人たちの支えで今回の栄冠を勝ち取ったのだと思います。みんなのエールに応えるため、次なる目標、世界大会に気合が入りますね。
国際大会は今回で2回目になります。初めて経験したアジア大会では、手ごたえを感じる前に、気づけば試合が終わっていました。自分の試合をするのではなく、テコンドーをすることに精一杯でした。ただし、海外選手と戦う感覚を感じることはできたので、世界大会ではその経験を活かせるよう自分のコンディションをつくっていきたいと思います。大会までに最高の状態で自分の持っているものを全て出し切れるようにコントロールすることをテーマに掲げ、練習に取り組みたいと思っています。
■ 最後に世界大会の目標をお話ください。ハイパーウーマンですから、ハイパー級でお願いします!
初の世界大会、夢を語るなら、ドーンと大きくいきます。ズバリ、表彰台に上りたいです!
■ その夢、ぜひ実現してくださいね。みんなで応援しています。
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