おかげさまをもちまして高知道場発足から8周年目にして、ついに昇段審査を地元開催することが叶いました。
この度の昇段審査開催におきまして日本国際テコンドー協会事務局の方々には大変お世話になり、はるばる高知までお出向きいただいた黄進首席師賢、文相賢師範には大変感謝しております。
また今回受審した稽古生の審査内容も上々で、名実ともに一つの節目を結ぶ行事となったことに爽快な満足感を覚えています。
高知でテコンドーを普及して8年、3つの道場が開設され、現在50名の稽古生たちが私とともに汗を流しています。
東京出身の私が、周囲の反対を押し切って高知という見知らぬ土地でテコンドーの普及活動をすることは、予想以上に苦労の連続でしたが、自分の浅はかさへの恥じらいはあっても、不思議と後悔の念は少しも起きません。
東京と離れた所で大局を見極め、地元の内に留まるどころか、逆に国際審判など、海外での仕事にも着手できたのは、地元高知の稽古生や友人たちの支え、そして協会の支えがあってのことであり、これまでの稽古の中で学び取った訓えに準じた結果によるものであると確信しております。
テコンドー普及において私が一番信条としていることは、指導者になろうが、道場の運営者になろうが、私自身、一稽古生としての修練を続けていることです。
人生のあらゆる局面で良い師に巡り合えたことは何にも代えがたい財産です。道場はもちろんのこと、学校、職場、趣味の音楽、現在ではトランポリン協会やその他の分野にいたるまで、自分にとって現在必要なことがなんなのかと欲したときに適切なアドバイスをくれる方々がいつも自然かつ必然的に目の前に現れてくれます。得てしてその大半は稽古生たちであったり、通りすがりの見学者であったりするのですが、志したものへの探究において貪欲であれば、既成概念にとらわれず、自分の嫌悪することからも何かを学び取ることができます。実はこれこそが、テコンドー精神にも通じる武術武道の魅力ではないかと考えます。
そして、テコンドー普及において最も大事なことは、武術、格闘技が苦手と言う人に、その良さをどう伝えていくべきかを考え続けることだと気が付きました。テコンドーの世界が大きくなっていくことも大事ですが、テコンドーが一般社会の中に入ってこそ、その大きさに意味がなされるのです。
一般的に新しいことに人を集めようとすると20人に声をかけたら一人が誘いに乗り、またそうして集まった中から継続していける人は100人に一人と言われています。ましてやこの不況の中で不本意ながら道場を離れなければならない人たちも多数いると思います。トップアスリートを目指す選手層も含め、もっともっと多様な世相を受け入れる受け皿ができるよう、まだまだやらなければならないことがたくさんあります。
余談ではありますが2002年6月、私が高知にわたった日は故崔総裁の命日でもあり、「師範」と言うテコンドーの教えを受け継ぐ者として、何にも代えがたい縁を感じることが多々あります。
これからも高い夢、広い世界と、流れの大局をしっかり見据えながらも、足元のしっかりした地道な活動をこれからも精一杯頑張っていこうと思っておりますので、今後とも高知道場と高知での私の活動を少しでもたくさんの方々にお見知りいただけるよう、よろしくお願いいたします。
|