第11回ジュニア第6回ベテラン世界選手権大会に参加して
日本代表選手団
コーチ 姜昇利師範
私としては、初めて選手としてではなくコーチという立場で海外遠征へ参加しました。
これまでの自分の選手経験を後進に伝え、練習はもちろん、直接現地でもサポートしたい。
海外のベテラン・ジュニアのレベルを生で見て自分の経験値を積み、これからの指導に活かしたい。
このような気持ちで世界大会のコーチとして志願し、5月の強化練習から大会までの期間、チームの一員
として加えていただきました。
自分も初めての海外遠征は世界ジュニア大会からでした。
当時の自分は本当に何もわからず、心技体の全てにおいて未熟でした。
しかしそれから数多くの大会に出場することができ、いろんな国で予測が難しいトラブルも含めいろんな
経験をし、海外遠征のコツを少しはわかってきたつもりです。
それらを、落ち着きのあるベテランよりも、特に海外遠征が初めてのジュニアの子達に教えることで、初
めての海外遠征だとしても少しでも雰囲気を渡航前からイメージして不安を消してあげ、不慮のトラブル
や強い選手を目の当たりにしても強い気持ちを折られることなく試合に臨めるようにさせてあげたいと
思い、自身のいろんな経験を伝えたつもりです。
それでも私自身もコーチとしては海外遠征初体験。
コーチとして、どう動けば良いのか試行錯誤してきたつもりでしたが、現地で体調を崩す選手、緊張する
自分をうまくコントロールできない選手、マッソギ中なかなかチャンスを見つけられず敗退してしまう選手
などを実際目の当たりにし、もっとできることや事前に指導できることはあったのではないかと、自分の
準備不足や研究不足を感じました。
しかし終わった今、選手同様この経験を今後に活かさないことには、得た経験はもちろん無駄になってし
まいます。
ぜひまた次の機会には、今回の経験を活かし、コーチもレベルアップした日本選手団として、また選手たち
を導き世界大会にチャレンジしたいと思います。
ベテラン世代の方が仕事も家庭も忙しい中でも、長く楽しんでテコンドーを修練される方が多い日本は毎
回世界大会の度に輝かしい成果を更新されて素晴らしいと思います。
そして今回はベテラン世界大会へ初めて出場された選手がこれまでに比べ大幅に多かったことがとても
嬉しく思いました。
それに、その初めて出場された選手達も各々が素晴らしい結果を出したこと。
これはこれまで何度も世界大会へ挑戦し続けた常連ベテラン選手たちの積み重ねがしっかりと新しい顔
ぶれに繋げられている証だと思います。
私も含め、これまで世界ジュニア大会を経験した選手たちも、今回のベテラン選手たちと同じような後進
への良いバトンの繋ぎ方をしてもらいたいと思います。
今回練習から大会までの期間、特にジュニア選手達の成長をとても感じることができました。
それは技術面だけではなく、チームの一員としての責任感だったり、弱い自分をいかに一歩前に進めさ
せるかという自分との闘いだったり、そのような精神面
でも言えます。
同世代の仲間との仲を深め、その仲間が海外選手と闘う姿に勇気づけられ、応援し合い、海外選手と交流
もでき、子供達はとても素晴らしい経験ができたと思います。
貴重な経験をして成長したジュニア選手達が、一緒に世界大会に挑戦した仲間達とこれからも刺激し合
い競い合って、私達指導者側やベテラン選手勢と一緒にこれからの日本のテコンドーをますます盛り上げ
ていってくれることが楽しみです。
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