個人戦としては初出場(第18回大会ではルーティーン出場)だった世界大会で、マッソギ銀メダルを獲得し、鮮烈なデビュー戦を飾ったバカルスキー選手。アグレッシブな攻撃スタイルが印象的で、将来が期待される大型新人の器を覗かせていた。
開催地となった母国代表に恥じないその堂々たる戦いぶりに、ブルガリアの観客たちの応援も一層ヒートアップしていた。
「決勝戦まで戦えて嬉しいですが、金メダルをとれなかったことはとても残念です。でも新たな目標ができました」
映画のワンシーンに出てくるような美男子は、悔しさと落胆が入り混じったような表情を見せながら決意を口にした。
7歳よりテコンドーをはじめたバカルスキー選手。テコンドーをはじめたキッカケは「悪ガキだったので、両親が心配して道場に連れて行かれました」その後、どのように変わったかという問いには
「礼儀正しくなりました」と、笑顔で話す彼の表情を見ると、そのヤンチャぶりの余韻が今でも残っているようだ。
「ブルガリア国内大会でヨーロッパ大会の出場権を得て優勝し、代表に選ばれました。7月の強化合宿で4週間ハードな練習を積み、試合に備えました」現在は大学で経済学を専攻し、勉学に励んでいるという19歳の青年は、世界チャンピオン、そして実業家になりたいという夢を持つ。
最後に、あなたにとって、テコンドーは?と聞いてみると
「私にとって、生きる道だ」と、立派な答えが返ってきた。
大注目株の一人、バカルスキー選手の活躍が非常に楽しみである。
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