―今大会でもカザフスタン代表選手たちが大活躍しましたが、強い選手を育てるために大切なこと、またどのような工夫をされていますか。
選手育成にはコーチの意志、視野が何より大切です。各選手たちの特徴を細かく捉えたデータを収集し、各自に対応したトレーニングプログラムを組み実行しています。
そして選手たちの姿勢、強くなりたいという強い意志が求められます。それは選手自身の問題でありますが、私たちは彼らの情熱、モチベーションを育むサポートをしなければならないでしょう。
―日本同様、ヨーロッパ選手たちに比べると小柄な選手が多いと思いますが、試合では体格で勝る相手に攻めの姿勢を全うし、体力面で負けてない、自分たちの特徴を活かした上手い試合運びをしているのが印象的でした。
試合をする上で強いフィジカルを持つことは何より重要です。相手の攻撃に対抗できる強いフィジカルがあってこそ戦う準備ができ、テクニックが活かされる。そして自分自身をコントロールし、打ち勝つ精神力を持たなければなりません。
―特にジュニア層で強い選手が多いという印象を受けましたが、子供たちを指導する上で工夫していることはありますか。
子供の場合はどうしても遊びなど楽しいことに気が向いてしまい、練習に集中できません。
そのため、テコンドーに興味を持たせるよう工夫しなければならない。始めは練習にゲームを取り入れながら興味の入り口に立たせ、少しずつ子供たちのテコンドーに関する関心を導いていきます。
「テコンドーが面白い」と分かってきたら、そのときに初めて具体的なもの、特別なことを教えます。そのときにやっとコーチの声に耳を傾けてくれますから。
指導者には強い忍耐力が求められます。
―カザフスタンでテコンドーは人気がありますか。
現代の人々は多様な趣味を持ち、様々な習い事があるため、スポーツ人口が減っています。その中でテコンドーは人気が高いです。テコンドーはパンチやキック、トゥルなど様々な要素があるため、幅広い層が楽しめるのだと思います。
―テコンドーの魅力について
テコンドーだけでなく、空手、カンフーなど武道では技術とともに精神性を学べます。そこに人々は魅了されるのでしょう。
テコンドーでは礼儀をはじめとする5つの精神を修得します。高度な技術を修得し、強く健全な心を身につけるために修養するテコンドーはとても知的であり、素晴らしい武道だと思います。
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